星状神経節照射療法(SGR)について

約2ヶ月ぶりのブログの更新です。夏場何かと忙しく、疲れもあってブログの更新が出来ませんでしたが、やっと更新できてホッとしています。今日は、星状神経節照射療法についてお話してみたいと思います。この器械は購入して10年以上経ちますが、現在は主に鍼治療の補助療法として使用しています。

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星状神経節照射療法は、頚部にある交感神経節(星状神経節) に生体深達性の高い波長帯高密度近赤外線を照射する治療法です。当治療室で使用しているSuper Lizer HT-2200は、光の中でもっとも深達性の高い波長帯の光(0.6μm~1.6μm)を、最高出力2200Wでスポット状に照射することを可能にした初めての光線治療器です。

近年、Super Lizerを使用した光照射療法は各医科領域においてその優れた効果が次々と報告され、国内の各医科主要学会をはじめ海外学会でも、その治療成績は多くの感心を集めています。また、現在全国74の国公立大学病院で使用され、広い領域で認められている高い有効性を持っています。

<星状神経節照射療法の作用>
星状神経節照射療法は、自律神経系の中枢である視床下部に影響を及ぼし、全身的に交感神経の緊張を緩和します。交感神経の過緊張(過剰な緊張)が、全身的にさまざまなトラブルを作り出します。その仕組みは、血液の循環障害が起こり、ホルモンの分泌が乱れ、病気を防ぐ免疫の働きも低下するというように、体の健康を保つおおもとの仕組みが混乱するために、いろいろな病気や症状が起こってくるわけです。それに対して、星状神経節照射療法は、おおもとの原因である交感神経の過緊張を緩和するので、いろいろな病気や症状が治ってくるのです。

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人の体には、体内に生じたいろいろな機能のアンバランスを元の状態に復元しようとする作用(ホメオスタシス/生体の恒常性維持)の機能があります。その働きを統括しているのが視床下部です。精神・情動の刺激、環境条件の変動による情報、体の内部の変動の情報がすべて視床下部に集まります。視床下部はこの情報から適切な判断をして、免疫系、内分泌系、自律神経系へそれぞれ指令を発して体の恒常性維持を図っているのです。したがって、この情報を集めて指令を発するどの過程に異常が起こっても病気になると考えてよいと思います。

星状神経節照射療法は、その視床下部に作用して自律神経系、内分泌系、免疫系の歪を直し、ホメオスタシスを回復させる治療なのです。この療法の自律神経系に対する作用は、まず全身の交感神経の過緊張を緩和し、うっ帯していた血行を改善することです。この血行改善こそ、星状神経節照射療法でいろいろな病気や症状が改善される最大の理由です。体には自然治癒力が備わっていますが、その自然治癒力を発揮させるのが、血液です。血液の中には細胞を賦活する酸素や栄養分とともに自然治癒力を助ける物質(免疫物質)もたくさん含まれています。ですから、血液循環をよくすることが、あらゆる病気の治療法の基本なのです。

<適応疾患> 
・頭部疾患:頭痛(片頭痛、筋収縮性頭痛、群発頭痛)、血管攣縮、脳梗塞円形脱毛

・顔面疾患:末梢顔面神経麻痺(ベル麻痺、ハント症候群)、顔面痛、顎関節症

・眼疾患:網膜色素変性症、視神経炎、緑内障、アレルギー性結膜炎、眼性疲労

・耳鼻科疾患:アレルギー性鼻炎突発性難聴メニエール病、耳鳴り、花粉症

・口腔疾患:舌痛症、潰瘍性口内炎

・上肢疾患:上肢血行障害(レイノー病)、頚肩腕症候群胸郭出口症候群、肩関節周囲炎、乳房切断後症候群、テニス肘、腱鞘炎、頚椎症、強皮症、関節炎、多汗症、凍傷、肩こり

・心臓疾患:心筋梗塞狭心症、洞性頻脈

・呼吸器疾患:慢性気管支炎、肺栓塞、小児喘息

・その他:痔核、便秘、不眠症冷え性自律神経失調症

以上、非常に多くの適応疾患が挙げられていますが、私は主に耳鳴りや肩凝り、顔面神経麻痺などの治療に使用しています。

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<2011-09-11 投稿>

 

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