肩こりについて

今回は、肩こりの治療について述べてみたいと思います。

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現代社会において、肩こりはごく普通に見られるありふれた症状ですが、経験した人しかわからないつらさがあることも確かです。肩こりは、こり症状の他に頭痛、イライラ、嘔気、めまい、手のシビレなどの随伴症状を伴う場合もあり、人によってははなはだ日常生活に支障をきたすような重症な方もいらっしゃいます。正しい治療を行うためにも、肩こりの原因を知ることは特に重要です。下記に肩こりの発生原因を示しました。

1)不自然な体位や姿勢
2)頚神経圧迫による刺激
3)内臓・顔面諸器官の病気からくる反射によるもの
4)血液循環の異常(交感神経の亢進、疲労物質の蓄積、肩周囲筋への血行不良)
5)筋肉疲労(筋肉の過度の使用)
6)血液の連結・凝集(毛細血管の血行不良)
7)肩こりの発生と不快感の放散(筋の結合織炎と引き金機構の作用)

一般に肩こり症は、同一姿勢を長時間保つことによって発生する場合が多いようです。これは、同じ姿勢での作業が続いた場合、後頚部筋群に筋緊張が発生し、持続的な筋収縮が筋内の血管を圧迫し、血行不良となり、肩こりが発生すると言われています。しかし、この場合の肩こりは、姿勢を考えることや作業手順を見直すことで比較的肩こりが治りやすいことも事実です。

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    <肩こりを起こしやすい筋肉>

この肩こりの生理学的な発生メカニズムはどうかというと、肩こりは筋細胞に疲労物質である乳酸が蓄積することによって起こります。乳酸などの酸化物質が筋細胞に溜まると、細胞が硬くなりpHが低下し代謝が行われにくくなります。また、硬直した筋肉によって血管が圧迫され血行が悪くなるので、一層乳酸の排泄が行われにくくなります。最近の研究によりますと、この乳酸などの酸性・酸化の老廃物が体内に蓄積することによって、細胞の新陳代謝が阻害され、免疫力の低下とともに各臓器や器官の病気が呼び起こされると考えられています。

この他にも肩こりの原因は、数多く考えられますが、最近、私どもの治療室においてなかなか治りにくい肩こり症の方に、手足の冷えや高血圧などを伴う方が多く見受けられます。実際、これらの患者さんに血液細胞観察を行うと、血液の連結や凝集像が見られ、血液の血行不良が疑われるケースが多々あります。実際、このケースでは血液の連結像が改善した結果、数年来の肩こりが解消しました。このように肩こり症は、筋・骨格系の原因だけでなく、血液の粘張度やストレスなどの交感神経の亢進に伴って発症することもあり、その原因に十分注意して治療にあたる必要があります。

f:id:miyanoue:20140928111450j:plain f:id:miyanoue:20140928111518j:plain    <2011-11-19 投稿>

    <赤血球の連鎖と凝集>

 

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